アサマde ブログ - 201509のエントリ
前回に引き続き皆さんと散策するのは軽井沢町の追分宿です。
▲油屋入口はこの看板が目印
「堀辰雄文学記念館」のほど近く、ギャラリーの看板に惹かれて小路に入ると脇本陣「油屋」の建物が残されていました。昭和13年に現在の場所に移築されてからは旅館として使われ、多くの文士・知識人たちが好んで執筆に利用し、多くの作品の舞台となったそうです。2012年からは、ギャラリーと素泊まりの宿として活用されているようです。1階は古美術・絵画・クラフト・古本・レコードなど各スペースに仕切られ、回廊をイメージした入り組んだ造りになっています。建物の中を探検して、自分の好きな作品を探すといった楽しみがあります。猫に関する作品のギャラリーを発見し、猫好きな自分はワクワク! つい財布のひもが緩んでしまいました。
国道18号線と合流して少し進むと「分去れの碑」があります。江戸から来ると、右は北国街道、左は京都・吉野へむかう分岐点となりました。旅の途中で親しくなった旅人同士が、別の行く先を前に別れを惜しんだというのがその名の由来だそうです。
▲石碑には「さらしなは右 みよし野ハ左にて 月と花とを 追分の宿」と刻まれている
「油屋」の中には古本屋さんやブックカフェがあり、お隣にもおしゃれな古本屋さんがありました。また、本を自由に借りたり、寄贈・交換ができる「夢のはこ」なるものも宿場内に2か所発見! 追分宿は文学の香り漂う宿場町なのでした。
古い町並みが連なっているというわけではありませんが、ところどころに残された古い建物がカフェや雑貨店などに活用されていて面白いです。宿場の雰囲気に合った、パン屋さんお蕎麦屋さんなどもあります。
▲「夢のはこ」 ※別日に撮影
距離にすれば短い宿場ですが、飲食店にも立ち寄らずに、気が付けば2時間半も散策していました。資料館・ギャラリー・古書店といった、インドアでゆっくりできる施設が充実しているので、晴れた日はもちろん雨の日でものんびり過ごせる宿場町です。
▲おまけ
「分去れの碑」のほど近くにある「シャーロックホームズ像」。写真のどこに写っているかわかりますか?
初めての街道歩き―――。どこを訪れようか迷った結果、第1回目として選んだのは軽井沢町の追分宿。歴史は詳しくない自分ですが、追分宿が中山道と北国街道の分岐点にあったということは知っていたので、旅のスタートとしてふさわしい場所だと思ったのです。草津温泉に通じる草津街道にも近いため、官道東山道のころから交通の要所とされてきた追分宿。宿場町として栄えた往時は、旅籠屋71軒、茶屋18軒、商店28軒が立ち並んでいたそうです。
▲信濃追分駅 ※写真は別日に撮影
軽井沢から国道18号線を上田方面に進むと、国道の両側に「追分一里塚」があります。その先の脇道を右側に入ると追分宿です。電車なら、しなの鉄道信濃追分駅から徒歩20分。車の方が便利ですが、レトロでこぢんまりとした信濃追分の駅舎も個人的にはお気に入り。ぜひ見ていただきたいポイントです。
追分宿に入ってまず立ち寄ったのは「軽井沢町追分宿郷土館」。「追分節」が流れる館内では、縄文時代から現代までの追分地区ゆかりの資料が並び、その歴史をたどることができます。初めて訪れる場合は、栄えていたころの宿場の様子などをここで予習してから散策することをおすすめします。※入場料大人400円
「軽井沢町追分宿郷土館」の隣りには「浅間神社」があります。天気はあいにくの雨模様。ここで本日の散策が素敵なものとなるよう祈願しました。雨露をたたえたモミジの葉がいっそう緑を深くして、なんともいえない美しさがありました。
▲「追分節発祥の地碑」の奥に見えるのが「浅間神社」
「浅間神社」を出ると少し町並みが途切れます。小さな橋を渡ってほどなくすると左手に見えてくるのが「堀辰雄文学記念館」です。ここは作家・堀辰雄が居を構えていた場所で、本陣跡地でもあります。堀辰雄は、古い宿場の面影を残す静かな追分に惹かれて数多くの作品を執筆し、この地でその生涯を閉じたそうです。入場券は「軽井沢町追分宿郷土館」と共通になっているので、こちらも訪れてみてください。
▲堀辰雄文学記念館入口の門は、本陣の裏門にあたる
「堀辰雄文学記念館」を出て少し行くと、右手にギャラリーの看板が。ちょっと立ち寄ってみよう………というところで、今回の散策はここまで。次回はこのギャラリーから散策をはじめます。
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