安藤建築設計工房
上田市郊外、塩田平にある古民家を再生し事務所を構えている安藤建築設計工房。「家族と住まい」という考えのもと、クライアントととことん話し合い「家族が主人公の家づくり」を目指しています。地域の自然環境に配慮し、優れた伝統技術を尊重し、住みやすく気持ちのいい住まいをつくることが一番大切だと考えています。
異色の経歴を経て建築の世界へ
「一級建築士」という肩書からイメージしていた堅苦しい人物象を、いい意味で裏切ってくれた安藤政英さんは、一風変わった経歴を持っていました。出身は岐阜県。高校の建築科で基礎を学んだ後、世の中を変えたいと社会派の劇団に所属。歌って踊って演じることに20代のすべてをかけました。公演で全国をまわるなかで、山が近くに見える風景と災害が少ない土地柄、子育てにいい環境が整っていると感じた信州を気に入り、結婚し退団した後に、松本の朝日村に移住。専門学校で木工を学び、卒業後、見識を広めるためヨーロッパへの一人旅を敢行。初の海外、語学に長けていたわけでもお金に余裕があったわけでもありませんでした。安藤さんの人柄が表れたエピソードです。2ヶ月かけてヨーロッパを一周し、町並みを見て建築の素晴らしさを感じ、建築への思いを新たにしたそうです。その後松本で、古民家再生の権威である降幡氏に直談判して事務所へ入所。10年余り在籍し、古民家再生や木造・新築などを手掛け、40代半ばになり、上田市で独立開業しました。
伝統建築への思い
上田市の郊外。塩田平の農村風景に溶け込む古民家が安藤さんの事務所です。土地の風土や暮らしの記憶が刻みこまれた古民家の姿を大切にしている安藤さんは、明治時代に建てられ、農家の倉庫代わりに使われていた「廃屋状態の空き家」を手直しして使っています。このイメージからか、とりわけ古民家再生に注目されることが多いですが、もちろん新築も手掛けますし、住宅だけでなく旅館や商業施設も高い評価を得ています。「施主さんの話を聞き、家づくりをすることが自分の仕事。手段としてリフォーム・再生・新築があるだけです。建築家として何ができるかを考え、結果として古い建物を利用するかしないか判断しています」。新築の物件でも木のぬくもりや伝統の工法が活かされ、民俗芸能主体の劇団に所属していた安藤さんらしい伝統を重んじる姿勢が貫かれています。
家族が主人公の家づくり
安藤さんが所属する「新建築技術家集団」は、1970年の創立以来、住む人・使う人の立場に立つ「生活派の建築創造、住民派のまちづくり」を掲げてきた団体で、施主との話し合いが濃いのが特徴です。「家は生き方や人生とタイアップしています。“安藤のかたち”というのはあるけれど、自分の作品という以前に、家の主役はそこに住む家族です。建物は住む人の姿が見えないといけません」。クライアントととことん話し、生活スタイルやその人の癖、子育ての仕方も配慮する。子ども部屋は隔離するのではなく、親が子どもの気配を感じられるようにする。その土地に実際立ってみて、光や風の向きを考慮しロケーションに合った家を提案する。「家の構造ひとつで、家族が心を病むこともある」と考える安藤さんは、自身の設計する家を「普通の家」と評しています。時流にのっとったものや、奇をてらった建築家の自己満足ではなく、住む人の人生に寄り添う、暮らしていて楽しい家にすることが最も大切だと考えているからです。
建築のプロだからできる提案
一般的に、最新鋭の機器をアレコレ取り入れた大きな家の方が建築費が上がり、設計料も高額になります。「人によっては、自分で建てる極小住宅(スモールハウス)でもいいと思うんです」などと提案してしまう安藤さんのような建築士さんは珍しいかもしれません。「家は思い出になる場所。小さい借家でも愛着が出てくるものですよね」。何棟も家を建てている建築士さんなのにこういった感覚を忘れていないことも嬉しく感じました。家は一生に一度の大きな買い物。毎日帰る場所。それだけに、安かろう悪かろうでは良くないし、逆にお金をかけたからといって自分にとっていいものになるとは限りません。でも、専門知識のない私たちにはその判断は難しいものです。流行の工法や設備をただ薦めるのではなく、住む家族にとって必要なもの不要なものをプロの目線で見極めて提案してくれる。正しい情報を教えてくれることが信頼を生んでいると感じました。安藤さんに設計を依頼したお客さんたちは、技術もさることながら、そういった姿勢に惚れ込んだのではないでしょうか
住まいづくりに思うこと
「本当に大切なものは目に見えない」。『星の王子さま』の一節です。建築でも同じことが言えます。私は、時流に流されず家族の暮らしをみつめて、何が大切かを考え、家づくり住まいづくりをしていきたいと考えています。家族は日々変化し成長していくものです。それに合わせて、住まいへの要求も日々変化していきます。住まいづくりは、家族がこれからどんな暮らし方を望み、もっと豊かに生活していくにはいいかを話し合う出発点ではないでしょうか。 初期の相談については、遠隔地の場合は交通費がかかりますが無料です。建築士は敷居が高いと思わずに気軽にご相談ください。
安藤建築設計工房 一級建築士:安藤政英
ホームページURL | http://ando-sekkei.com/ |
---|---|
電話番号 | 0268-39-5963 |
FAX番号 | 0268-39-5964 |
郵便番号 | 390-1104 |
住所 | 長野県上田市上田市前山384-3 |
この記事の評価 |
- 2016-02-07 01:33:09)
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