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長野県産 南高梅の生産・加工・販売を目指す、長野Ume 株式会社

2015/4/24 14:50 投稿者: asama (記事一覧) [ 18727hit ]
長野Ume株式会社
長野Ume株式会社

 古くから、殺菌や疲労回復、さまざまな効能が知られ、“体にいいもの”とされている梅。数ある品種の中でも、果肉が大きく香り豊かな南高梅は、高級梅として有名です。南高梅の生産、加工、販売を通じてこれを新たに長野県の特産品として育てようと設立されたのが「長野Ume株式会社」です。長寿の県として知られる長野県と、健康的な伝統食である梅との組み合わせで新たな可能性が見えてきます。

インタビュー

長野県で梅をつくるきっかけ

ブランド梅として名高い和歌山の「南高梅」ですが、温暖化の影響により生産が危ぶまれていることをご存知でしょうか? このままでは消滅してしまうかもしれないという危惧から、南高梅が育つ北限の調査活動が始まり、長野県産南高梅の生産がスタートしました。「もともと梅が好きだった」という吉澤俊彦さんは、この研究のために「NPO法人信州アグリトライアル」を設立。2005年、自身が住む長野県小諸市に南高梅を植えました。霜の影響を受けたり、蜂が飛べる気温に問題があって受粉できなかったりして、最初は実がならないこともあったそうです。和歌山から農業指導に来てもらい、剪定や栽培の方法を工夫し、圃場選びなどで試行錯誤を重ね、10年かけてようやく確実に結実するようになったそうです。「長野県で栽培するのは難しい。今も苦労している。和歌山より収穫時期が一か月程度遅くなりますが、涼しい長野県でも南高梅がなることが分かりました」(吉澤さん)。

長野県産南高梅は次のステップへ

研究を重ねること10年、吉澤さんと仲間たちが植えた南高梅は1000本を超えます。最初に植えた木は大きく枝を広げ、幹も立派な太さになりました。現在は、1本の木から多くて40㎏の梅が収穫できるようになったそうです。生産の目途がつくようになると、事業化の可能性が見えてきます。そうなると量の確保が課題となります。研究により、標高700mまでの地域であれば栽培に問題ないことがわかっていたので、東信地域では比較的暖かい上田市古里地域で圃場を探していた吉澤さんに運命の出会いが待っていました。圃場の持ち主である清水富士雄さんです。清水さんは製薬会社に長年勤めていたこともあり、梅の効能に特に興味を持ちました。「会社を定年退職したころで、ゴルフ三昧で過ごすのもいいなぁなんて考えていたんだけど、南高梅と出会ってすぐに惹かれました。農業再生や六次産業化も、取り組む価値がある課題だと思いました」(清水さん)。そして、清水さんは「長野Ume株式会社」を設立。生産・加工・販売を通じて人々の健康に寄与することを目指して動き出しました。

 

南高梅の魅力

南高梅はアンズほどの大きさになります。長野県でよく見かける豊後梅と比べると、大きくて肉厚なのが特徴で、香りも格段に違うそうです。「自分はその香りだけでリラックスできます」と吉澤さん。梅干しを食べてみると、果肉の食べごたえと香り高さに納得します。寒暖差によるものなのか、本場・和歌山のものより皮が厚くてしっかりとした実がなるというので、加工にも向いているといえます。「長野Ume株式会社」のホームページから、この長野県産南高梅の予約注文を受け付けています。今年の梅干しは、長野県産南高梅で作ってみませんか? 南高梅は、花も豊後梅と違って大きく香り高いといいます。梅園が育つのも楽しみですね。

梅の効果

「梅はその日の難逃れ」と言われて、朝は祖母の梅漬けを食べて出かけていました。体に良いものとして人々に食べられてきました。昔から「体にいいもの」として迷信的に伝わってきた梅の効果は、現在、科学的に解明されてきたようです。「梅干しは強力な抗菌力を持ち、クエン酸で食欲増進や疲労回復、食欲不振や下痢などに抜群の効果があるようです。殺菌、解毒、疲労回復、老化予防など、素晴らしい働きがたくさんあります」(清水さん)。「うめは医者いらず」と言われてきたのも頷ける内容です。日本の伝統食『梅』について、知っているようで知らないことを広めていくことも、清水さんの大切な役割になりそうです。

将来の展望

これまでに生産してきた長野県産南高梅を使って梅酒を造った酒造場があります。ほかの梅よりも赤味がかった仕上がりが美しく、甘ったるくなくておいしいと好評だそうです。この南高梅でジャムを作っているお店でも評判は上々のようです。徐々にファンも増え、加工をしてくれる人たちも増えています。新たな果樹ブランドとして、長野県産南高梅の将来性も見えてきました。また、梅はほかの果樹よりも実のなるまでの期間が短いので消毒回数が少なくて済むこと、雑木だから生命力が強いことなどから、耕作放棄地対策にも向いているそうです。2014年には、上田市御嶽堂の御嶽神社に続く参道近くの土地を開拓、植栽を施しました。2〜3年後には、梅林が上田市の名所となるかもしれません。長野県産南高梅の未来は明るそうです。

 

登録店よりのメッセージ

長野県産南高梅を特産品に

梅干しは副食とはいえ、主食であるごはんに欠かせないものなので強い商品だと思います。何より、梅は健康にいいという大きな魅力を持っています。和歌山は梅の健康効果の研究も進んでいて、実際にどんな成分がどんな効果があるのか解明されてきています。会社を立ち上げるにあたり梅の効能を調べましたが、知れば知るほど広める意義を感じました。世界有数の健康・長寿の地域である長野県の豊かな風土で育まれた、伝統の健康食品「南高梅」は、世界に発信できる可能性を秘めています。「NAGANO」はオリンピックにより海外でも認知されている地名ですし、「Ume」は英語でも通じます。ゆくゆくはグローバルに展開できることを期待して、社名を付けました。
もともと糖度が高く果肉が厚い南高梅ですが、例えば“寒い地域だからこそより甘くなる”といった長野県産ならではの特徴を見つけ出し、食品加工の会社と連携して、この地域の特産品として広めていきたいです。夢に向かって歩み出したばかりの会社ですが、皆さんの健康を保つ手助けが出来れば良いと思っています。よろしくお願いします。

代表取締役 清水富士雄さん

ホームページURLhttp://shop.asama-de.com/b/nagano-ume/
電話番号0268-75-5864
FAX番号0268-75-5874
郵便番号386-0005
住所長野県上田市古里1627-1コーポミキ302
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