春土用は夏へと移行するための準備期間

 \

 

「春土用」は夏へと移行するための準備期間です。天候も日々変化するこの時期は変化の時。力を抜いてペースダウンです。4月からの新生活などで疲れているなと気づいたら安易なサプリメントや手軽なアルコールでごまかさず、自然界もめまぐるしく変化している時であることを知りましょう。雨の日も風の日も楽しく心地よく過ごせる自分流の土用の過ごし方を見つけましょう。

自然の法則に逆らわない生き方です。

4月17日から5月6日立夏までを「春土用」と言います。立春、立夏、立秋、立冬の前18日間を土用と言い、この期間には土に宿る神さまを動かさないという風習があります。
午前中は晴れていても午後には雨が降ってきたり、暑い日の翌日に肌寒さが舞い戻ってきたりと変化の多い土用ですから外での作業も計画通りいかないことが多いのも事実です。
春土用の18日間は「春から夏へと移行するための準備期間」です。

 

\

 

5月病と言われる無気力、不安、鬱などもこの頃からゴールデンウィークまでの土用の期間と重なります。就職、進学、転勤などの新しい生活環境に一生懸命に適応しようと頑張った疲れがピークに達する時期ですが、疲れているなと気づかせてくれる時でもあるのです。安易なサプリメントや手軽なアルコールは二次的な不調を抱えることにもなってしまいますから、どうしようもなく行き詰まる前に自然界もめまぐるしく変化する時であることを知りましょう。

\

\

上にまっすぐ伸びていくスプラウトのような春のエネルギーが夏の活発な拡散するエネルギーへと徐々に変化していく間にあって、変化こそが体と心を夏へと向かわせるのですが、私たちは安定を求める性質のために変化の時期にはストレスから不調をきたします。
ここは力を抜いてペースダウンです。
すべてのものは変化するというのが宇宙の法則ですから、自然界の法則である原因と結果の法則に従って雨の日も風の日も楽しく心地よく過ごせる自分流の春土用の過ごし方を見つけましょう。「私は今、何を心地よいと感じるのだろう?」

前回の春の食事のポイントを基本に、春から夏へと向かう食材や調理法もとり入れていきましょう。
ふんわりと巻いた春キャベツや水分の多い新玉ねぎ、菜の花などの春の野菜を薄味に調理します昆布出汁に干し椎茸を加えたり、茶褐色の胡麻油の出番を控えて白いごま油や菜種油に変えてみるのもいいでしょう。
春の食事で失敗しがちなのはパンチのなさ。
食感や味のメリハリをつけることがポイントです。
大きな不調を抱えていなければ疲労回復にニンニクを使ってもいいです。
マクロビオティックに失敗はありません。味付けが濃いめだなと感じた時には茹で野菜を添えれば大丈夫、出汁をとった後の昆布を佃煮にしておくと、薄味の春の食事を引き立てる名脇役となります。

 

\

 

おそうじの会「春の食事」

  • 玄米ご飯・ごま塩
  • 味噌汁(わかめ、新玉ねぎ、春キャベツ、豆腐、三つ葉)
  • じゃがいもと椎茸のニンニク炒め
  • 切り干し大根の煮物(人参、干し椎茸、油揚げ)
  • 黒豆の玄米米飴煮
  • ひじきのサラダ(ひじき、蓮根、菜の花、もやし)

 

\

 

\

 

\

 

\

 

\

 

\

 

\

 

\

 

 

 

Continue Reading

感謝は「ごちそうさま」の後に外の世界へと放たれていく

\

ひと手間かけた心のこもったお料理は太陽のように分け隔てなく体と心を満たしてくれます。感謝は「するもの」ではなく「あふれ出てくるもの」です。「ごちそうさま」の後に外の世界へと放たれていくあふれ出る感謝を、ひとりひとりが出来る日常レベルの祈りとして、平和への祈りとして意識していきましょう。

6月の初め、向かった先は小諸市にある正眼院。
先月咲いていた椿の花は色褪せていましたが、春の清々しい日差しの中に微笑みそびえたつお釈迦様はいつの時も変わらない穏やかさをで出迎えて下さいました。
正眼院で月に一度開かれる「おそうじの会」では、宗教の枠に関係なく老若男女ざまざまな方が集まりお寺の作務と座禅を体験します。
自分の心を素直に見つめる機会として開かれているおそうじの会は、私が実践している玄米菜食がどのような形であれ、活かされる場であると感じています。

本日の作務は草取り。
春の爽やかな日差しと言いましても外での作務は汗が出るほどですから、どうしても生野菜が欲しくなります。

\

この時期の生野菜、決していけないわけではありませんがプレスサラダにするのがオススメです。
ホームセンターで見かける簡易漬物器といった感じのもので、塩をまぶした野菜にネジ式の圧(重石)をかけて余分な水分を出します。即席の漬物といったところですが、水分による体の冷えを防ぎます。
穀物や野菜を、冬に命をつなぐ糧として保存する調理法は塩や重石を使う漬物の他にも干したり発酵させたり、火を使ったりと、変化を常とするこの世界において祖先たちから伝わった保存法です。保存料や着色料といった添加物は流通のためのものであって、祖先たちが伝えた保存法は命をつなぐための知恵です。
発酵も進めば腐るように時間と共に変化していくものを食い止めることはできませんからさらなる知恵で再利用するという、そこには生き延びていくたくましさが感じられます。
この会では時折、参加者から子どもの頃に食べたおやつなどの話を聞くことがあるのですが、郷土に残る食文化には興味深いものがまだまだあるのです。

今回、お寺の奥さまが作って下さったコゴミとワラビの味噌漬け。
ここで一句。
「山菜と一期一会の有り難さ」
菜食において、旬の山菜が並ぶ至福は例えようがありません。
ご馳走とは本来「走り回ること」
奔走して採って下さった山菜はまさしくご馳走。
どなたさまかはわかりませんが、山の幸をありがとうございます。

いただくこの日まで保存して下さった心のこもった味噌漬けが、まるで太陽のように参加者全員を分け隔てなく満たしていきます。
あふれ出る感謝に手を合わせ「いただきます」と唱え「ごちそうさま」で終わっていたはずが、心のこもった食事は体の中を巡りふたたび外の世界へと放たれていく自然な循環が起こるのです。
私たち人間の役割とは、形あるものが朽ちていく肉体だけの存在でないのは言わずもがな、このさき意識していくことは「無限の世界へ放つ光の意識として存在してゆくこと」ではないかと思うのです。
ひとりひとりが出来る日常レベルの祈りとして、平和への祈りとして意識して放っていきましょう。

\

おそうじの会「春から夏の食事」

  • 玄米ご飯・ごま塩
  • 味噌汁(新玉ねぎ、春キャベツ、わかめ、車麩)薬味としてコゴミと三つ葉
  • こうや豆腐の野菜葛あん
  • 切り干し大根の煮物(糸蒟蒻、干し椎茸、えのき茸)
  • 蒟蒻と山菜の味噌漬け
  • 菜の花とひじきの白和え、山うど添え
  • プレスサラダ(ラディッシュ、春キャベツ、カブ、水菜)、沢庵

\

 

\

 

\

 

\

 

\\

 

\

 

\

おそうじの会について詳しくこちら

\

 

Continue Reading