信濃追分宿(しなのおいわけじゅく)は、中山道と北国街道が分岐する地点として栄えた宿場町です。現在の長野県軽井沢町に位置し、江戸からの中山道六十九次の第20番目の宿場として、また北国街道の起点として多くの旅人を迎えました。分去れの碑や文学ゆかりの施設も残る、歴史と文化の交差点です。
歴史背景
- 中山道と北国街道の分岐点
江戸時代、中山道は江戸と京都を結ぶ五街道のひとつ。その途中、信濃追分は北国街道との分岐点として交通の要地となりました。「分去れ(わかされ)」という地名は、旅人がここで進路を選び、それぞれの道を別れゆく場所であったことに由来します。
- 文人に愛された静かな宿場
近代に入ると島崎藤村、堀辰雄、立原道造などの文人が訪れ、文学と避暑地文化が融合した土地としての魅力も育まれました。今も文学館や記念館が点在し、歩くだけで物語を感じることができます。
見どころ・現地での楽しみ方
🔸 分去れの碑
北国街道と中山道の分岐点。
「右ハ北国街道、左ハ中山道」と刻まれた石碑が、今も当時の交差点を物語る。

🔸 追分宿郷土館
旧旅籠を活用した資料館。宿場の暮らしや文化、古地図や文献を展示。

🔸 追分宿の町並み
古民家、石畳、土蔵造りなど、往時の面影を今に伝える静かな通り。

🔸 油屋旅館跡
藤村や堀辰雄らが宿泊した歴史的建物(現:油屋旅館は別建物に移転)。

🔸 堀辰雄文学記念館
作家・堀辰雄の遺品や直筆原稿、写真などを展示する記念施設。

散策ルート(例)
駐車場 ➝ 郷土館 ➝ 堀辰雄文学記念館 ➝ 油屋旅館跡 ➝ 分去れ ➝ 中山道旧道沿いを散策
所要:約1時間(文学・歴史・風景の融合ルート)
アクセス
- 鉄道:しなの鉄道「信濃追分駅」から徒歩20分ほど
- 車:上信越道「碓氷軽井沢IC」から約30分
- バス:軽井沢駅から草津方面バス(西部小前・追分宿下車)
メモ
- 近年は「静かな軽井沢」として人気上昇。喧騒を離れた落ち着いた散策に最適
- カフェやブックカフェ、古道具店など、文化的ショップが点在